1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


19,512頭。これは、静岡県内4か所に置かれた「予察灯」に、9月1日から20日までの間に集まって死んだカメムシの数の平均です。予察灯は、虫が光に集まる性質を利用して、害虫がどれくらい発生しているかを調べるための明かりの装置です。平年なら960頭ほどなので、今年はその20.3倍にあたります。カメムシが異常に多く発生した2024年の数をも上回る水準です。

こうした調査の結果をもとに、静岡県病害虫防除所は2026年10月1日、果樹カメムシ類について、令和8年度の「病害虫発生予察警報」第1号を発表しました。病害虫発生予察警報は、作物に害をあたえる虫や病気がとくに多く発生し、大きな害が出るおそれがあるときに出されるもので、注意報よりも段階が上の呼びかけです。
対象になるのは、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種類で、まとめて「果樹カメムシ類」とよばれます。みかんなどのかんきつや、かき、キウイフルーツといった落葉果樹の実に口をさして汁を吸う害虫です。
警報によると、発生が予想される地域は県内全域で、時期は10月、発生の程度は「多」です。静岡県病害虫防除所は8月26日にも注意報第3号を出していましたが、9月中旬以降に発生がさらに急増したため、今回、警報を出しました。
カメムシの多さは、ヒノキの実の調査からも分かります。果樹カメムシ類はヒノキの実(球果)の汁を好んで吸うため、そこにいる数を調べると発生の様子が分かるのです。9月上旬から中旬の調査では、ヒノキの球果についていたカメムシの数は、実のついた枝10本あたり平均37.5頭でした。平年は6.1頭なので、6.1倍です。9月の数としては、1996年以降で最も多くなりました。
さらに、球果にカメムシが汁を吸ったあとの数は平均21.1で、平年の16.2を上回りました。調べた20地点のうち6割で20をこえていて、カメムシがヒノキからはなれはじめているとみられています。実際に、県の西部と中部では、果樹園にカメムシが大量に飛んで来ているのが確認されています。
名古屋地方気象台が9月24日に発表した1か月予報では、気温が平年より高くなる見こみです。気温が高いとカメムシの活動は活発になるため、静岡県病害虫防除所は、暖かさが発生をさらに助長するとしています。

東京大学は2026年9月5日と6日、国の重要文化財である赤門で進めている「耐震改修工事」の現場見学会を開きました。耐震改修とは、地しんのゆれにたえられるように建物を直す工事のことです。赤門は2021年2月から閉じられていて、今は仮囲いという工事用のかこいの中にあります。5日の午前には報道の人たち約20人が仮囲いの中を見学し、5日の午後と6日には、2021年2月に門が閉じられたあとに卒業した人たちもふくめて117名が参加しました。東京大学は9月24日付の学内広報で、そのようすを伝えています。

赤門のような古い木の門を、地しんでたおれないようにするには、どうすればよいのでしょうか。見学会では、東京大学がその方法を説明しました。ポイントは、屋根、柱の足もと、柱の傷んだ部分、そして番所の四つです。
まず屋根です。これまでの赤門の屋根は、土を使ってかわらを固定する「土葺き」という方法でした。これを、くぎなどでかわらを固定する「空葺き」という方法に変えます。屋根にのせる土がなくなるぶん、屋根が軽くなるのです。
次に柱の足もとです。大きな地しんで門がたおれないように、学内側の地中にコンクリートのおもりをうめます。そして、そのおもりと柱の下の部分を鋼棒という鉄の棒でつなぎ、柱を下に向かって引っ張ります。おもりが柱をおさえつけることで、門がたおれるのを防ぐしくみです。
柱には、過去の改修で「根継ぎ」が行われた部分があります。根継ぎとは、柱の下のほうが傷んだときに、その部分を切り取って新しい木をつぎ足す直し方です。このつぎ目の部分を「炭素繊維」で補強します。炭素繊維は、炭素でできたとても細い糸のような材料で、軽くて強いのが特ちょうです。
赤門の番所も直します。番所は土かべをやめて、構造用合板を入れて地しんに強くします。構造用合板は、うすい板を何枚も重ねてはり合わせた、建物を支えるためのじょうぶな板です。
これだけ大きな工事をしても、赤門の見た目は改修の前とほぼ同じになる予定です。うるしのぬりかえは一部だけだからです。工事は2027年の秋に完成する予定です。

駅の券売機で買った紙のきっぷを自動改札機に入れると、きっぷは機械の中を通って前から出てきます。それを取って電車に乗る、この流れが変わろうとしています。今、券売機で買える紙のきっぷは「磁気乗車券」といって、裏側に磁気で情報を記録してあり、自動改札機の中を通して読み取るしくみです。大きさは30ミリ×57.5ミリの小型券です。

この磁気乗車券が、QRコードを使った「QR乗車券」に置きかわります。京成電鉄、京ひん急行電鉄、せん台空港鉄道、東京モノレール、東武鉄道、JR東日本(東日本旅客鉄道)、北総鉄道の鉄道7社が、2026年10月13日に発表しました。QRコードは、白黒の四角い模様で情報を表したもので、機械のカメラなどで読み取ることができます。QR乗車券のサービスは、2027年春に始まります。
券売機で買うQR乗車券は、一部をのぞいて57.5ミリ×85ミリの大型券になり、今の磁気乗車券よりひとまわり大きくなります。使うときは、きっぷを自動改札機に入れるのではなく、QRコードを改札機にかざして通ります。電車を降りた駅では、改札機の回収箱にきっぷを入れます。QR乗車券に対応した自動改札機がない駅では、駅員のいる有人窓口を通ります。
QR乗車券は、鉄道7社のすべての路線、すべての駅で使えますが、駅に置かれている機器によって使い方がちがいます。7社は、相互直通運転などで関係する他の鉄道会社とも調整を進めています。「相互直通運転」とは、ちがう会社の線路に電車がそのまま乗り入れて走ることです。2027年度以降にQR乗車券を始める会社については、決まりしだい、それぞれの会社が案内します。
磁気乗車券からQR乗車券への置きかえは、2024年5月29日に8社で発表されていました。今回は7社が、サービスの開始時期を2027年春と決めて発表しました。

37万5,991人。これは、2024年度に「英検」を受けた小学生の人数です。英検は、公益財団法人 日本英語検定協会(英検協会)が行っている、級ごとに分かれた英語の試験です。

英検協会は2025年8月15日、「統合報告書2025」のコラムで、小学生の英検の受験のようすと英語の力の変化を紹介しました。それによると、小学生の受験者は2014年度と比べて、この10年で約1.5倍に増えました。
増えたのは、主に4級より上の級です。4級の受験者は約1.6倍、3級は約1.9倍、準2級は約2倍になりました。上の級ほど、増え方が大きいことが分かります。
英語の力そのものも上がっています。「CEFR」という、外国語をどれくらい使えるかを表す、世界で使われているものさしで見ると、A1(3級相当)やA2(準2級相当)の力に達した児童が増えました。読む・聞く・書く・話すの4つの技能は、どれも上向きになっています。
こうした変化の背景について、英検協会は、小学校で外国語が教科になり、「学習到達目標」、つまり学習でどこまでできるようになるかという目標がはっきりしたことがあると考えています。目標がはっきりしたことで、小学生全体の英語の力が底上げされたと、英検協会は見ています。

冬になると、花屋さんの店先や学校の入り口などに、赤やピンク、白の花をさかせるシクラメンのはちがならびます。今ならんでいるたくさんのシクラメンは、人が長い時間をかけて花の色や形を改良してきた「園芸品種」です。園芸品種とは、人が育てて楽しむためにつくり出した品種のことで、そのもとになったのが野生の原種シクラメン(学名はシクラメン・ペルシカム)です。

公益財団法人かずさDNA研究所は10月13日、この原種シクラメンの全ゲノムを、世界で初めて高精度に解読したと発表しました。埼玉工業大学、九州大学、香川大学との共同研究です。
「ゲノム」とは、生き物の体をつくるための設計図にあたる、DNAの情報全体のことです。DNAはA・T・G・Cという4種類の文字のような部品が長くつながったもので、その並び方が設計図の中身になります。原種シクラメンのゲノムの大きさは、約14億8000万「塩基対」でした。塩基対とは、DNAの文字にあたる部品が2つで1組になったもので、この組がいくつならんでいるかでゲノムの大きさを表します。研究チームは、このゲノム全体の98.1%を読み取りました。
さらに、設計図の中で体の性質を決める部分である「遺伝子」を、40,223個見つけました。その中には、シクラメンだけがもつ遺伝子のまとまりと、シクラメンがふくまれるサクラソウ科の植物に共通する遺伝子のまとまりがありました。
この研究の結果は、DNA Researchという科学の雑誌に論文として発表されました。著者は、白さわ健太さん、秋田ゆう介さん、水の江ゆう樹さん、高村武二ろうさんの4人です。
今回の解読によって、花の形・色・香りや、「塊茎」の成長にかかわる遺伝子が分かっていくと期待されています。塊茎とは、シクラメンが地下にもっている、くきがふくらんで栄養をたくわえた部分のことです。
また、新品種の開発や、効率的な「育種」にも役立つと考えられています。育種とは、性質のちがう親をかけ合わせるなどして、新しい品種をつくる仕事です。設計図全体が分かったことで、どの遺伝子がどの性質にかかわるのかを調べやすくなり、ねらった色や香りをもつ新しいシクラメンを、これまでより効率よくつくれるようになると期待されています。

学校で毎日使う教科書は、これまで長い間、ページ数がふえ、本の大きさも大きくなる流れが続いてきました。この流れを見直そうという動きが、国の会議で始まっています。

2026年10月13日、文部科学省の「教科用図書検定調査審議会」の合同会議が開かれました。これは、教科書のあり方について専門家が話し合う会議です。この会議では、次の学習指導要領が始まるのに合わせて教科書をどう良くしていくかの検討課題が示されました。「学習指導要領」とは、学校で何をどのように教えるかを国が定めた基準のことです。
検討課題には、教科書にのせる内容をしぼりこむ「精選」や、教科書として使ってよいかを国が調べる「検定」の基準の見直しがあげられました。さらに、教科書の「種目」、つまり教科や学年ごとの区分ごとに、ページ数の上限の目安を示す必要があるかどうかを検討するよう求めました。
なぜページ数を見直すのでしょうか。背景には「調整授業時数制度」という新しい仕組みがあります。各教科には、1年間に何時間教えるかという標準授業時数が決められています。この制度では、学校がその時数を最大で約15%程度下回る形で授業の計画を組むことができます。授業の時間が減っても十分に教えられるようにするには、教科書の分量、デジタル教材との役割分担、先生向けの手引きである指導書の示し方を、たがいに合うように整える必要があるのです。
会議では、ページ数の上限の目安を示すことで、先生と子どもの両方に「余白」、つまり時間や気持ちのゆとりを生み出すことをめざしています。
ただし、今回の会議で具体的なページ数が示されたわけではありません。次の学習指導要領は、小学校と中学校では今年度内に、高等学校では令和9年度に国から正式に示される見込みです。教科書の分量がどう変わるかは、今後の検討で決まっていきます。